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2018/8/20 「極悪人」がいるからこそ、死刑は廃止すべきだ( 亀井静香・元建設相 ).708号室にて

徒然に浮世の憂さを戯言に(阿呆の戯言・独り言)。

つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、
そこはかとなく書
きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

「極悪人」がいるからこそ、死刑は廃止すべきだ  亀井静香・元建設相
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20180807/pol/00m/010/001000d より転載。


以前、法務省幹部に死刑制度存続の是非について検討を始めるべきではないか、と指摘した際に「オウム真理教の問題が片付かない限りはなかなか進まない。この問題が終われば、死刑制度の存続についての検討をしてもいい」という趣旨のことを言われたことがある。

 それほどオウム真理教の事件というのは重い。しかし、あのような「極悪人」がいるからこそ、死刑は廃止しなくてはならない。人の命を軽んじる凶悪犯罪が起きるような状況であればあるほど、人の命を大切にしなければならない。

人の裁きには限界がある

 人間という存在には限界がある。人間が人間を裁くということについては「分をわきまえる」ことが必要だ。

 人の心の奥は、深い。何が棲(す)んでいるか、わからない。裁判ですべて分かる、人の心の奥まで見通すなどということは不可能だ。

 冤罪(えんざい)の可能性も完全に消すことはできない。

 だから、どんな凶悪犯罪に対しても、命を奪うのではなく、仮釈放無しの「終身刑」という形で解決すべきだと思っている。

報復感情に流されてはならない

 刑事司法のなかには、「目には目を歯には歯を」という遺族の報復感情を満足させる役割もあることは否定できない。

 けれども、それは命をとらない形でやればいい。

 死刑でなければ、遺族の気持ちは晴れないかもしれない。しかし、物事に100%ということはない。

 どんな人間でも殺人者になる可能性がある。そのことをよく考えてほしい。

 報復感情に従って刑事司法を運用したら、この世は地獄になる。報復感情があることはわかっているが、それに流された刑事司法はあってはいけない。

 報復感情に基づいて人の命を左右するということを制度として作ってはいけない。そうした考えのもとに、世界中で死刑は廃止されつつある。

 裁判員制度との関係から言っても、死刑は早く廃止すべきだ。

 裁判員は司法の専門的な訓練を受けていない。経験のない者が、人の命を扱う制度はよくない。感情が抜き身で表れてしまう危険性がある。

 「こんなにひどいことをしたのだ、やってしまえ」。そういうことに近いものにならない保証はあるのだろうか。

「邪魔者は殺す」社会になっていないか

 オウム真理教の13人という大量の死刑執行を巡る世論を見ていても、今の世の中に、邪魔者は殺してしまえという雰囲気を感じる。

 もし「平成のうちに死刑執行を」などという考えがあったとしたら、人の命をそんなことで区切りを付けるなど、とんでもないことだ。残務整理、在庫一掃みたいな話ではないか。冗談ではない。

 新自由主義がはびこり、強者は弱者をいくら収奪してもいい、弱者に対しては何をやってもかまわないという風潮が蔓延(まんえん)している。そのことと一脈通じる部分がある。そのものではなくても、その延長線上にあると感じる。

 今、世界的に強者の論理がまかりとおっている。トランプ米大統領も、中国の習近平国家主席も、ロシアのプーチン大統領も「強いものが正しい」と信じている点では同じだ。

 弱者に対する、憐憫(れんびん)の情がなくなっている。幸せではない状況にある者に対する人間としての同情、共感、そういうものがなくなってしまい、ただ弱者をやっつけてしまう。

 人間存在そのものについて、深く考えようとしなくなっているのではないか。だんだん人間が干からびてきていると思う。
皆さんはどう感じますか?コメントをお寄せください

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20180807/pol/00m/010/001000d


「極悪人」がいるからこそ、死刑は廃止すべきだ  亀井静香・元建設相
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20180807/pol/00m/010/001000d より転載。


                徳島県立中央病院7階 708号室にて徒然なるままに





                                


by kappa-999 | 2018-08-20 19:32 | 青色青光@河童